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[発足の主旨と活動]

 

2015年11月でした。電気通信大学キャリア教育の特任講師の自主研修会で、当時講師であった窪田(現学会会長)が「マンガで学ぶ200字作文法 ―マンガ教材の指導法」(2015.11.20 )と題して、四コマ・マンガを使って作文を教える指導法についてプレゼンをする機会がありました。参加者全員が初めて知る内容に驚き、大きな関心を示す結果となりました。

 

特任講師の多くは、大学生の作文や発表における表現力に大きな疑問を抱いていただけに、四コマ・マンガを使った作文指導法の話は、強いインパクトを与えることになりました。その後、講師の間ではときどきこのテーマが話題になり、作文指導は子どもの段階から始める必要があるとの意見が出てくるようになりました。その結果、自分たちがまず実際の被験者となり、四コマ・マンガの200字作文を体験してみようという気運が出てきました。

 

1.発足の主旨

特任講師が作文体験をしたいという気運が生じたころ、呼びかけに応じた有志が毎月一回集まって勉強会をすることになりました。その会は「子ども作文研究会」と称して、八名全員が書いた作文を発表しながら、お互いに批評し合う研究会となりました。

 

そうした流れで2017年9月には、全員が四コマ・マンガを教材として、同じ127話の200字作文を書き上げたところ、これを機会にこの研究会を社会活動の一環として学会を組織しようという意見が出てきました。そこで、研究会の内容をさらに発展させるため「子ども国語教育学会」を新たに設け、正式に発足の運びとなったわけです。

 

ちなみに、教材とした『コボちゃん』は、シリーズ化されて全60巻あります。その内の第1巻は、時代背景が少し古くはなりますが、コボちゃんの友達や幼稚園、家族の人間関係、生活環境、社会常識などの場面がよく出てくるので、テキストとして最適であり、最も内容が充実しています。

 

この学会は、国語教育の「書くこと」「読むこと」「話すこと」「聞くこと」、「コミュニケションすること」などの項目の中で、とりわけ「書く力」と「読む力」について、大人の視点からではなく子どもの目線から研究していこうとするものです。それらの中で「作文力」と「読書力」は、国語力の重要な要素となっており、当学会はその有効な指導法を研究し、その効果を検証していくことを目標として掲げております。

 

2.学会の活動

本学会は、「作文」と「読書」の在り方を中心に研究や実践を行っていきますが、全体的には以下の事業活動を展開しています。

 

①  研究会及び情報交換

②  講習会、及び総会の開催

③  年1回の研究発表会を開催

④  学会通信(たより)等の発行

⑤ 「作文教室」などの開催・運営

⑥  ホームページ(HP)の運営・管理

 

活動の中で最も中心になるのは研究会であり、当面、活動の基本になるのは、「マンガに基づく作文の指導方法の研究」と「絵本・児童書の読書体験と読書指導」の二つが、当学会が目標とする基本的な二本柱となります。

 

1)マンガに基づく作文指導

教材の一つとして選んだ『コボちゃん』は、四コマ・マンガとして楽しむことはもちろんですが、作文のテキストとして活用するのは、珍しいケースだと思われます。このアイデアは、たとえどんなに作文嫌いな子どもであっても、抵抗なく作文にチャレンジしてくれるものと信じていることが根拠になっています。

 

私たちはマンガ、絵本、子供向け小説、国語教科書などを主要テキストとして、様々な視点から研究して、その結果を可能な限り分析して数量化し、資料やデータ化することも試みてきました。その成果は、ホームページ上に掲載されていますので、ぜひみなさまにご覧いただきたいと思います。

 

2)絵本・児童書の読書体験

子どもの言語能力の中で、作文能力が求められるのは言うまでもないことですが、文章が読める力、つまり読解力を身につけることも必要となります。そのためには、子どものころから良い本をたくさん読まなければなりません。その意味では絵本や児童書には、子どもの夢や希望や人生がたくさん詰まっています。

 

それを読書体験することが大切で、この学会では、先ず会員同士が推薦する絵本や児童書を元に、月例研究会では推薦図書を発表したり、ストーリのー内容や展開を話し合いながら、子どもの読書指導の在り方も考えていく計画です。読書は基本的には2週間で1冊のペースで本が読めるようにし、子どもには読後感想を5~10分でまとめるように指導します。これは内容を要約する練習になり、伝達する力、つまりコミュニケーション能力もつける手助けにもなります。

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